賃貸部屋探しの変化
2018年に入り、あっという間に2月をむかえました。
大学新入生・新社会人が一斉に部屋探しを始めるシーズンです。
不動産賃貸業界では「繁忙期」となり、4月中旬頃まで多くのお客さんを案内するこ
とになります。
私も10年程前に不動産賃貸業界におり、このシーズンはひっきりなしに来店・電話
問い合わせをいただき、休み無しで遅くまで働いていたのを覚えています。
私が業界にいた10年前に比べ、賃貸業界も大きく変わったように感じます。
今回は昔と今の賃貸物件の探し方の違いについて書いてみたいと思います。
10年前と現在の違い その①
賃貸物件のネット検索情報の信頼度が高まった
今でこそスマホが当たり前になっていますが、10年程前はガラケーの時代です。
当時インターネットの普及は進んでおり、不動産検索サイトもありましたが、ガラケ
ーでネット閲覧、不動産検索には限界がありましたので自宅や会社等のPCでネット
検索される方が多かったかと思います。
しかし、当時の一般の方が閲覧できる不動産検索サイトは「おとり広告」がかなりの
割合で紛れていました。
(おとり広告とは…架空の好条件の物件情報を記載し、問い合わせがあったお客さん
を呼び店舗の来店数を高めるというもの)
ちなみに店舗の窓ガラスや路上の看板に貼りだしている情報もおとり物件がほとん
どです。実際は頻繁に物件情報の交換なんて出来ないですから…。
その為、リアルな賃貸物件情報が欲しいと思ったら不動産業者に足を運ぶしかありま
せんでした。
しかし、業界の「おとり広告」が問題視され、現在は発覚すると宅建業法で厳しく罰
せられることになる為、かなり減ったと言われます。
当時に比べ、現在はネット情報の信頼度は高いと言えます。
10年前と現在の違い その②
案内(内覧)方法の変化
今までは店舗に来られた方に対して、希望条件を聞き出し、営業スタッフがそれに近
い物件を探して紹介し案内するというのが一般的でした。
しかし、上記その①でご説明したように現在はネットの情報の信頼度が高まったこと
により、営業スタッフに頼らなくても入居者自身で好みの物件を探せるようになりま
した。
したがって、希望物件に現地待ち合わせ&現地解散という案内が増えているそうで
す。
地方から上京する方は、今までは物件を内覧しないで間取りだけで決めるという例も
多かったのですが、今は不動産検索サイト内の写真も充実していますし、住所さえわ
かればグーグルのストリートビューで周辺も確認できます。
また、最近テレビCMでも流れていますが不動産検索サイトのHOME’Sが「オンラ
イン内見」という新しいサービスを開始しました。これは、わざわざ現地に行かなく
ても営業スタッフ通してテレビ電話にて内見できるというものです。通話で細かい説
明を聞きながら、写真ではわかりづらいコンセントの位置や様々な寸法も確認しなが
らその場で測ってもらう…ということも可能になります。
そして、既に一部の不動産会社ではVR(バーチャルリアリティ)を使った内見をサ
ービスとしています。ゴーグル型のデバイスを覗き込むと、まるでその場にいるかの
ように室内を見ることが出来ます。
また、これまで対面での説明が必要だった重要事項説明が、昨年10月から賃貸物件
に限り、ビデオ通話などを使ったオンラインでの説明も可能になりました。
アナログだった不動産業界のIT化が日々進んでおります。
10年前と現在の違い その③
入居者が求める設備の変化
時代の変化により入居者が求める設備にも変化があります。
さっそくみていきたいと思います。
どちらも全国賃貸住宅新聞より
<単身者向き物件>2007年 欲しい設備ランキング
第1位・・・・ブロードバンド
第2位・・・・オートロック
第3位・・・・TVモニター付きインターホン
第4位・・・・洗浄機能付き便座
第5位・・・・シャンプードレッサー
第6位・・・・BS/CSアンテナ
第7位・・・・2口コンロ
第8位・・・・バスタブ
第9位・・・・追い炊き機能
第10位・・・・ディンプルキー
<単身者向き物件>2017年 欲しい設備ランキング
第1位・・・・インターネット無料
第2位・・・・エントランスのオートロック
第3位・・・・宅配ボックス
第4位・・・・ホームセキュリティ
第5位・・・・ウォークインクローゼット
・・・・浴室換気乾燥機
第7位・・・・TVモニター付きインターホン
・・・・独立洗面化粧台
第9位・・・・防犯カメラ
・・・・システムキッチン
以上のようになります。
この比較をする上で時代の変化となるポイントをいくつか挙げますと
・スマホの普及
・ネットショッピングの普及
・単身女性入居者の増加
等が挙げられます。
スマホの普及
当時、インターネットは入居者が個別で契約するという形が一般的でした。
しかし、現在はマンションごとにインターネット契約している物件が増えています。
入居者は新たに契約する必要がなく、また、別料金を支払うことなくインターネット
を使用することが出来るというものです。そして、急速にニーズが高まってきている
のが「Wi-Fi」付の物件です。新築物件の中でも一部の物件にはWi-Fiが組み込まれ
ており、入居者は部屋ごとに決められたIDとパスワードを入力するだけでWi-Fiを
無料で利用できるようになっています。
ネットショッピングの普及
Amazonや楽天でのネットショッピングが身近なものとなり、今やネットショッピン
グで新鮮な野菜ですら買える時代となりました。
そこで現在欠かせない設備となったのがランキングにも出ている「宅配ボックス」で
す。
単身者は荷物を受け取れる時間帯に家にいないことが多いですが、この設備があれば
いつでも受け取ることが出来ます。2007年のランキングには出ていなかったですが、
ここ最近では欲しい設備ランキング常連組となります。
単身女性入居者の増加
未婚率の増加・晩婚化が進み、2007年頃に比べ単身女性入居者が増加しています。
生涯未婚率の推移(将来推計含む)
そうみてみると、2017年のランキングに出ている設備は女性が特に求めるものが増
えているのがわかります。セキュリティ関連や室内でも洗濯物が干せる浴室乾燥機、
独立洗面化粧台やシステムキッチンなどもそうです。
たったの10年でも設備に大きな変化があったことがわかります。
不動産投資一つをとっても情報が溢れてかえっています。中には入居者の考えや好み
を置き去りにした投資を薦める情報も見受けられます。
今までは多少癖のある物件でも不動産賃貸業者によりカバーしてもらえた部分はあ
りましたが、不動産業界のIT化が進んだことで入居者によるある程度の物件の選別
が進むのではないでしょうか。
これから不動産投資を検討しようとする方にとって、時代の変化を踏まえ改めて入居
者の立場でイメージすることが重要であるといえます。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。